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音楽・美術の旅 メールニュース

Vol.244 2017.12.26

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コラム

イタリアのオペラハウスを包む街の景色 その2

日本の出張から戻ったのが6日、アンブロジウス祭の前日であり夕刻ミラノ郊外にある空港から自宅にたどり着いたのが20時半。およそ90分掛かったことになる。12月というのは異様な月間であり、ただでさえ多いミラノの車の量が通常の倍ほどに膨れあがる。かねて地下鉄やバスなど公共の交通機関を利用しているものたちが、なぜかガレージに休んでいる車を引っ張り出してきてエンジンを掛けたりするものだから、道路事情はとんでもないことになってしまう。師走だからといってエンジン掛ける意味がわからない。

ということもあり通常の倍近く時間を要する帰路ではあったが、車窓から見える景色は日本へ向かった11月中旬の様相とは一転していてやはりワクワクする。
冷たい空気にイルミネーションの光が尖って見えるのである。点滅していると明暗の境がくっきりと切り取られて、ことさら臨場感を増してくる。

センセーショナルな舞台と有名各紙がこぞって好評を呈した開幕オペラ「アンドレア・シェニエ」は7日の初日を外して5度目のレプリカとなった22日に2017年の興行を終了した。残すは新年1月2日、5日の二回だけ。

一席が税込み3,000ユーロ(40万円)で売られる7日、初日のチケットは到底買えないわけで、22日にその何十分の一かの値で手に入れたチケット片手に開演間近の劇場に滑り込む。初日でなくとも開幕オペラであるから入り口間や、ホワイエはドレスと礼服姿で溢れかえる。シャンデリアから注がれる上等な光を受けてゴージャス感はより高まる。

ウンベルト・ジョルダーノの傑作でありフランス革命から数年間の史実を描いたこのオペラは、プッチーニの出世作「ラ・ボエーム」(トリノ王立歌劇場)の初演より、僅か二カ月足らずのうちにスカラ座にて初演されている。アルトゥーロ・トスカニーニとロドルフォ・フェッラーリがそれぞれ指揮台に上がり、同じフランスが舞台となる革命と排他的な人生が描かれている。驚くべきはその当時を魅了したばかりでなく、この120年後の今の時代まで世界中で親しまれていると考えればそれはもの凄いことである。

実際、新聞がこぞって評価したような感銘は受けないまでもやはり作品の持つパワーを感じずにはいられない。その夜、ボックス席に同席することになった93歳のおばあちゃんと幕間に少しだけ言葉を交わした。何でも22日が彼女の誕生日、68歳の娘さんからのプレゼントとして贈られたものらしい。終始誇らしげに聴き入っていた彼女はわたしにこう語ってくれた。

「この年になってスカラ座でオペラが観られるなんてこの上ない幸せ。わたしよりずっと年上の作曲家が作って音楽家たちが演奏してきた音楽を今もこうして聴けるのだから。」

 

堂満尚樹(音楽ライター)

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≪受付中≫

アムステルダム&ベルリン&ウィーン 珠玉の音楽紀行11日間<2018年5月5日出発>

「コンセルトヘボウ管」、「ベルリン・フィル」、「ウィーン・フィル」コンサートとウィーン国立歌劇場ガランチャ&アラーニャ主演《サムソンとデリラ》を鑑賞します。

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旅行代金には下記公演のチケット代が含まれます。

 

★5月6日(日)14:15開演
コンセルトヘボウ(大ホール)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮:J.v.ズヴェーデン
ブルックナー《交響曲 第8番 ハ短調》
★5月10日(木)20:00開演 ベルリン・フィルハーモニー(大ホール)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:T.ソヒエフ  ピアノ:Y.ブロンフマン
プロコフィエフ《古典交響曲》、ベートーヴェン《ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調》、ムソルグスキー《展覧会の絵(ラヴェル編)》
★5月12日(土)19:00頃開演 ウィーン国立歌劇場
サン=サーンス《サムソンとデリラ》 新演出(初日)
指揮:M.アルミリアート 演出:A.リートケ
出演予定:E.ガランチャ、R.アラーニャ、C.アルバレス、S.コリバンほか
★5月13日(日)11:00開演 楽友協会(大ホール)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:A.ネルソンス ソリスト:K.オポライス、G.ロンベルガー、 K.F.フォークト、G.ツェッペンフェルト
ベートーヴェン《交響曲 第9番 ニ短調「合唱付」》

 

旅行期間:2018年5月5日(土)~5月15日(火)
旅行代金:698,000円

 

燃油サーチャージが別途必要となります。また、旅客保安サービス料、日本および現地空港諸税が必要となります。


ピックアップ

≪受付中≫

プラハの春音楽祭オープニング&中欧珠玉の音楽紀行11日間<2018年5月5日出発>

「ウィーン・フィル」、「ベルリン・フィル」および「チェコ・フィル」プラハの春音楽祭オープニングコンサートを鑑賞します。ドレスデンでは、ゼンパー・オパー 《運命の力》または ドレスデン音楽祭「イングリッシュ・バロック・ソロイスツ」の選択プランがございます。

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旅行代金には下記公演のチケット代が含まれます。

 

★5月6日(日)11:00開演
楽友教会(大ホール)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:Z.メータ  メゾソプラノ:E.クルーマン
バーンスタイン《交響曲 第1番「エレミア」》、マーラー《交響曲 第5番 嬰ハ短調》
★5月10日(木)20:00開演
ベルリン・フィルハーモニー(大ホール)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:T.ソヒエフ ピアノ:Y.ブロンフマン
プロコフィエフ《古典交響曲》、ベートーヴェン《ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調》、ムソルグスキー《展覧会の絵(ラヴェル編)》

 

※ドレスデンでは下記いずれかの公演をお選びいただきます。

★5月11日(金)19:00開演
ドレスデン国立歌劇場(ゼンパー・オパー)
ヴェルディ《運命の力》
指揮:M.ウィグルスワース  演出:K.ウォーナー
出演予定:G.クンデ、E.マギー、A.マルコフ、P.スパニョーリほか
★5月11日(金)20:00開演
~ドレスデン音楽祭~ 聖母教会
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
指揮:J.E.ガーディナー
J.S.バッハ《カンタータ「暁の星のいと美しきかな」BWV1》
J.S.バッハ《カンタータ「目覚め、祈り、つねに備えよ」BWV70》
J.S.バッハ《カンタータ「わが魂なるイエスよ」BWV78》
J.S.バッハ《カンタータ「目覚めよ、と呼ぶ声あり」BWV140》


★5月12日(土)20:00開演
スメタナホール
プラハの春音楽祭オープニングコンサート
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:T.ネトピル
スメタナ《連作交響詩「わが祖国」》

  

旅行期間:2018年5月5日(土)~5月15日(火)
旅行代金:678,000円

燃油サーチャージが別途必要となります。また、旅客保安サービス料、日本および現地空港諸税が必要となります。 

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<2018年4月1日出発> 詳細はこちら

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≪催行決定≫ザルツブルク滞在 7日間

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