Vol.360 2022.7.26

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Column

そろそろイタリアへ その4

Italo(イタロ)での移動は快適である。

ここ何年かのイタリアの高速鉄道事情は、すでに民営化したもののいままだ過去の名称(FSとは国鉄を示す)を引きずりながら運行するフレッチャ・ロッサ(紅の矢)と、今年、デビューより10年目を迎えたヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ(NTV)社のイタロに二分されている。伊国スポーツカーの代表格といえるフェラーリ社を持つモンテゼーモロなどによってFS社への対抗として生まれたイタロは、よりファッショナブルであり、ボディのワインレッドが何ともイタリア的な雰囲気を醸してくれている。

新幹線に自由、指定、グリーン車とグレードの違いがあるように、イタロの場合も4段階に区分されながら、結局はスマート(二等)、そしてプリマ(一等)が大まかな線引きとなり、料金の違いは、座席のリクライニング度、そして車内での飲み物およびスナック菓子が無料で提供されるか否かに他ならない。値段の差異は乗客の層がやや異なってきて、それがセキュリティに関わってくると言われながら、必ずしも上のクラスが安全というわけではない。

何よりの証拠がここにある。

イタロに乗った我々はまずヴェネツィアに向かっている。日本よりの女性客二人ということもあり迷わずにプリマ(一等車両)を選択。ヴェネツィアに一泊しながらまたミラノに戻るとあって、大きいスーツケースはミラノに残したまま客人にもコンパクトなハンドキャリーだけの一泊旅行風にしようと願った。要するにわたしの分も加えた小さなコロコロタイプを3個、荷棚に並べたのである。

はじめてのイタリア、到着して間もない高速鉄道での移動とあって明らかにハイテンション(なぜにわたしも)。持ち込んだスナック菓子、振る舞われる飲み物片手にマスク姿ながら話しが尽きることはない。着いたばかりで時差ボケもあるだろうにかなり元気な様相である。 あっという間の2時間30分、車内放送が終着駅であるヴェネツィア・サンタルチア駅を告げると、やっと話すことをやめて降車の準備に取り掛かる。

身のまわりを整えると当然の如く荷棚を見上げる。そこでまず目を疑うのである。確かに並べて置いたはずのキャリーバック、3個乗せたはずが2個しか見当たらないのである。二人の客人にはまだ何も声を掛けることをせずに、長い荷棚を目で追って、見当たらない3個目を探している。そう、それは彼らのものではない、間違いなくわたしのキャリーバックなのである。

その車両の棚には見つけられないことを察すると、二人には下りる準備をしてほしいと彼らのバックを棚から降ろして、自分はまた車内の今度は低い部分を探しはじめる。すべての客が下りる準備をはじめていることもあり、自由に歩き回れる空間がなくなり、そこで元の席に戻ると二人にも自分の小型スーツケースがなくなっていることをはじめて告げたのである。

堂満尚樹(音楽ライター)
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