家族でフィレンツェは2度目である。
こどもたちが中学校に上がった頃に出掛けたフィレンツェもちょうどクリスマスシーズンだった。すでに10年以上前のことではあるが、新しいことに興味を持ち始めたこどもたちと古い町並みを歩いたことはいまもよく覚えている。
ミラノからフィレンツェまでの道のりといえばおよそ300㎞。日本の地図で考えると東京から東海道を下って愛知の豊橋に辿り着く辺りが目安となるだろうか。車での移動となるとどうしても3時間をゆうに超えてしまうので、この度のような僅か一泊だけの遠出とあれば、時間をより有効に使うために短時間で移動できる電車を選ばざるを得ない。
フレッチャロッサ(Freccia Rossa)、そしてイタロ(Italo)と選択肢がある。いずれもイタリア半島を縦横に走る高速鉄道の名称であり、ミラノ、フィレンツェ間であれば1時間55分での移動が可能ということ。しかしそううまくいくものではない。
公式の発表なのでこのラインを基本としながらそれでもここはイタリア。トラブルがあり、と様々な理由に託けて電車が定刻に到着することは稀であり、イタリア人、そしてこの国の事情をよく知る外国籍の人々もそれを心得ている。ここにいて定刻はあってないようなもの、という認識なのだ。長年暮らしているとそのアバウトさがよくわかる。
東京駅を出発したひかり(新幹線)が20分遅れて豊橋駅に着くところなんて中々巡り合えるものではない。もちろん地震、台風など自然災害に見舞われる場合、また人身、あるいは踏切事故などによる遅延も時にはあるが、しかしオンタイム発着が日本鉄道の極みであり、その正確さを賞賛する外国からの声は絶えないようだ。長く外国で暮らしているわたしも外目線で眺めるところが大きく、正確無比に稼働している企業努力には驚いてしまう。
話はかなり逸れてしまったが、最短で移動したいという気持ちからItaloの往復チケットを購入している。
7時40分に出発した電車は9時35分にフィレンツェのサンタマリアノヴェッラ(Santa Maria Novella)駅に到着。イタリア流とは少し異なり僅か5分遅れの到着と、後のアポへの支障のないスムーズなスタートとなった。
12月29日、この日はまずウフィッツィ美術館へと向かう。チケットは事前に予約してあって、館内への入場30分前にチケットオフィスへ購入データをもって引き換えに行かなければならない。11時の入館だったので駅から徒歩で移動しながらオフィスの所在を確認してまず朝食をとる。
いままだ雨が落ちてこないもののどんよりとした鈍色の空。寒さもあって手放しで行楽日和とは言えないものの、やはり歴史のあるこの街に来て荘厳さを感じると浮足立ってしまう。
堂満尚樹(音楽ライター)
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ヨーロッパ音楽の旅
2024年5月以降の予定ツアーのお知らせ♪
2024年5月以降のツアーを下記の通り予定しております。
企画実施が決まり次第、順次パンフレットを作成していきます。
パンフレットを早めにご希望の方はどうぞお気軽にご連絡下さい。
★予定ツアーの一部をご紹介します★
ウィーン滞在 珠玉の音楽紀行7日間<5月出発>
[旅行期間:5月4日(土)~5月10日(金)](予定)
ムーティ指揮ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場C.ティーレマン《ローエングリン》&《フィガロの結婚》鑑賞!
グラインドボーン音楽祭&ロンドン 珠玉のオペラ紀行8日間<6月出発>
[旅行期間:6月6日(木)~6月13日(木)](予定)
カウフマン&ラドヴァノフスキー《アンドレア・シェニエ》、グラインドボーン音楽祭で《カルメン》、《メリーウィドウ》鑑賞!
または
[旅行期間:6月9日(日)~6月16日(日)](予定)
カウフマン&ラドヴァノフスキー《アンドレア・シェニエ》、グラインドボーン音楽祭で《カルメン》、《魔笛》鑑賞!
※上記いずれかを予定しております。
ベルリン&ウィーン&アムステルダム 名門オーケストラめぐり11日間 <6月出発>
[旅行期間:6月12日(水)~6月22日(土)](予定)
「ベルリン・フィル」ドゥダメル指揮&マーラー第6番、「ウィーン・フィル」ヴィオッティ指揮&ドヴォルザーク《交響曲第7番》、「ロイヤル・コンセルトへボウ管」ティーレマン指揮&ブルックナー第8番を鑑賞!
ヴェローナ音楽祭&ミラノ・スカラ座8日間<7月出発>
[旅行期間:7月8日(月)~7月15日(月)](予定)
イタリア・ヴェローナ音楽祭で《アイーダ》《セビリャの理髪師》《カルメン》を鑑賞、
ネトレプコ&アラーニャ出演、ミラノ・スカラ座《トゥーランドット》公演を組み合わせた夏のイタリアオペラツアー!
ミュンヘン・オペラフェスティバル&バイロイト音楽祭9日間<7月出発>
[旅行期間:7月29日(月)~8月6日(火)](予定)
カウフマン、ダムラウら、スター歌手が集結するミュンヘン・オペラフェスティバルと、バイロイト音楽祭で新制作《トリスタンとイゾルデ》または
《タンホイザー》を鑑賞!
その他、音楽評論家 加藤浩子と行くバッハへの旅9日間(6月出発)バイロイト音楽祭《ニーベルングの指環》鑑賞(8月出発)
など予定しております。
【締切間近】
華麗なるメトロポリタン・オペラ!ニューヨーク6日間
<2024年3月13日出発>
※プレミアムエコノミークラス新たに設定しました!!
2023-24シーズン後半の注目公演!
リーゼ・ダーヴィドセン&B.ジェイド出演、期待の新演出、ヴェルディの《運命の力》!
2つの不朽の名作《ロメオとジュリエット》(N.シエラ&B.ベルナイム)
《蝶々夫人》(E.ブラット&M.ポレンザーニ)など、
旬のスター歌手らが揃うMETならではの魅力のオペラツアーです。
ご滞在はバスタブ&ウォシュレット完備、和のおもてなしで定評ある観光に至便な「ザ・キタノ・ニューヨーク」をご用意しました。
■ツアー概要■
2024年3月13日(水)~3月18日(月)4泊6日
利用航空会社:全日空
利用予定ホテル:ザ・キタノ・ニューヨーク
旅行代金:798,000円(2名1室利用エコノミークラスお1人様あたり)
※オペラ3公演チケット込み
※プレミアムエコノミークラス追加代金 320,000円 (新設)
※ビジネスクラス追加代金 667,000円
詳しいご案内は音楽ツアーデスクまでお問合せください。
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