年末の大掃除(イタリア編)　その1

ミラノは寒い。

11月末にミラノに戻り生活のリズムもほどよくとり戻してきてはいるが、日本、特に郷里鹿児島とは比較できないほど寒さを感じる。海流や季節風の巡りは異なるとはいえ、北海道の稚内と同じ緯度であることを考えれば当然のこと。朝夕、氷点下はあたりまえの毎日である。

低温のつづく日常を温めてくれるのがクリスマスを待ちわびるイルミネーション。イタリアでは大通りや路地に沿うよう高いところに電飾が張り巡らされる。自治体ではなく小規模な、日本でいうところの町内会（組合）での統括によってデザインやその規模を取り決めている。

長い時をイタリアで暮らしていると、この季節のイルミネーションの煌めき具合で景気の浮き沈みが見えてくる。世紀をまたいだ2000年あたりから光量に陰りが見えはじめた。バブル崩壊の煽りを受けたあたりである。またコロナの蔓延したクリスマスの時期は、気の滅入っている国民をどうにか鼓舞しなければならないと、国や自治体が動くことで華やかに点火、町がひと際輝いているようにも見えていた。

町の守護神であるアンブロジウスの叙階を祝うお祭り日、12月7日に終えたミラノの灯は、純粋にクリスマスを待ちわびているようである。

クリスマスだ、年の瀬だと和洋折衷傾向にあるわが家にいて、この時期の恒例となるのが“大掃除”である。

以前、仲のよいイタリア人らに「君らの家庭でも年の変わる前に大掃除というイベントが行われるのか」と尋ねたことがある。几帳面なオタッキー男性を除いてほぼ全員がそのような習慣はない、ときっぱり答えている。何もこんな寒く手の悴む時期にあくせく動かなくてもいいんじゃない、というのが大方の声であり、そこは自ずと頷ける。

しかし、わが家においてそのような行事のイニシアチブを握るのは家長である奥方である。イタリアに渡って30年経っても日本より持ち込まれたその古き習慣が色褪せることのないらしい。長男とともに家長の箇条書した日程・分担・作業内容を遵守する以外、年の瀬を円滑に乗り切る方法はない。荒行と腹を括って命に従うのである。

家長の提案によると、クリスマスイブまでに、ほぼすべての作業を終らせたいとある。理由はそのあたりから新年にかけて頻繁に来客があること、東京に就職した娘が里帰りしてくる、など。

娘が戻るのであれば、彼女にもやってもらおう、テキパキと動くやつだから大きなアシストになる、と蚊の鳴くような声で提案してみたが、却下されたので「ハイっ！」と口を閉ざしている。

まずあなたのやるべきことは、とCD棚の整理を命ぜられている。棚ばかりでなくあちらこちらに散乱したCD、その中から不必要なものを選びだして廃棄してほしいというのだ。自分でもやらなければならないと思っていただけに文句言うでなくすんなり従っている。

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年末のご挨拶とお知らせ

本年最後のメルマガをご覧いただき、誠にありがとうございました。
2024年は郵船の音楽ツアーもコロナ後、100%まではいかないものの、復活の1年でした。
コロナ後の高騰した航空券代、世界的な観光産業の人手不足からくるホテル代高騰でご旅行代金も上がっておりますが以前よりのリピーターの皆様、新しくご参加の皆様、多数のご参加を賜りまして誠にありがとうございました。
さて、来る2025年は更にツアー数も増やして音楽・美術ファンの皆様の心に残る充実した内容の旅をお届けするべく、誠心誠意努力する所存ですので、より一層のご支援を賜りますよう、従業員一同心よりお願い申し上げます。

♪年末年始の営業につきまして
12月28日（土）から1月5日（日）まで年末年始休業、新年は1月6日（月）午前10時より、平常通り営業させて頂きます。
※上記期間中はメール・ホームページ・FAXからのお問い合わせの受付はいたします。
※対応は1月6日（月）以降となりますので、予めご了承いただきますよう、お願い申し上げます。

2025年も相変わらぬご愛顧を頂けますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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