イタリアは言わずと知れた日本と同じ海洋国家である。
国土を囲む海岸線が世界の第9位、まさに島国という名に相応しい日本は、8割強の都道府県が海に面しているが、イタリアも同様、行政区の75%が海岸沿いにある。
海に面した国家であるから、当然ながら栄える港町はいくつもある。
紀元前より連なるイタリア半島の歴史は、もちろんこの国の建国がされるずっと前から独立した、あるいは分裂や併合を繰り返しながら各々の国家が存在していた。そのような時代の流れの中で都市の発展を支えてきたのが海洋貿易であったことは言うまでもない。
ナポリ、トリエステ、アマルフィ、リヴォルノ、ピサ、バリなど半島の全土に渡って時代の繁栄を極めてきた海洋都市が散在したが、その中でもジェノヴァとヴェネツィアの2都市は長きに渡り群を抜いて軍事および交易に力を発揮してきた。このリグリア海、そしてアドリア海の両都市、互い敵対していた時期が中世からルネサンスへの転換期にあったという。
ジェノヴァとヴェネツィア、イタリアという国の海洋都市としてではなく、それぞれがまだ互い独立国、共和国であった時代に100年にもわたる戦いが繰り広げられてきた。
戦争はいつの時代も経済上の利権や領土の拡大を理不尽に求めてそれを正当化させるものであろうが、この両地の争いも交易の独占や拡大、そのための貿易路の独占、そしてよその港を侵食する暴力的な動機によるものだったと文献にある。
現在、イタリアの一都市となったジェノヴァとヴェネツィアを訪ねると、もちろん軍事国家だった頃の名残りが見当たらないわけではないが、それぞれがリグリア海、アドリア海を臨む巨大な港町であることがわかる。女性的に思えるヴェネツィア、それとは逆に雄々しい断崖の都市と映るジェノヴァ、それも両都市を包み込む海の特徴がそう思わせるのかもしれない。
前回、書かせていただいたジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場、そしてヴェネツィアのフェニーチェ劇場。建国前は民間の経営主導ながら、その後国立歌劇場となりイタリアを代表する歌劇場として港町に鎮座し、それぞれの文化の興隆に尽くしてきた史実はこの国の誇りでもある。
戦火により焼失したカルロ・フェリーチェ劇場、事故と放火、2度にわたり焼け落ちることになったフェニーチェ劇場。苦難はありながら、何より時間が掛かりながらも各々の町にとってなくてはならぬ重要な社交および文化交流の拠点であったこともあり、再び海の広がる町に蘇ることになる。
このところそのふたつの町を時間をかけて歩く機会があったので、それらの歌劇場やオペラを絡めて話していきたい。
堂満尚樹(音楽ライター)
Instagram
ぜひご覧ください!
【受付中】
夏の音楽祭めぐり ヴェローナ&ザルツブルク10日間
2025年8月8日(金)~2025年8月17日(日)
◆「夏の音楽祭めぐり ヴェローナ&ザルツブルク10日間」
ヴェローナ音楽祭でネトレプコ主演《アイーダ》、ザルツブルク音楽祭でA.グリゴリアン&V.スリムスキー出演《マクベス》を鑑賞!
【催行決定】
夏のバイロイト音楽の旅 9日間
2025年8月14日(木)~2025年8月22日(金)
◆「夏のバイロイト音楽の旅 9日間」
別途手配《ニーベルングの指環》4公演鑑賞
ドイツ屈指の高評価を得るレストラン・シェフの料理で知られるロマンティック ポストホテル。
豊かな自然に囲まれた保養地にあるホテルに滞在し、オペラ鑑賞もじっくり余韻にひたりながらお過ごしいただけます。
【受付中】
夏の音楽祭めぐり!
ルツェルン~インスブルック~ザルツブルク12日間
2025年8月22日(金)~2025年9月2日(火)
◆「
夏の音楽祭めぐり!ルツェルン~インスブルック~ザルツブルク12日間」
涼風そよぐスイス・オーストリアで、世界最高峰の演奏家によるコンサートとアルプスの絶景をお楽しみください。
【催行決定】
ミラノ・スカラ座&ヴェローナ音楽祭8日間
2025年7月13日(日)~2025年7月20日(日)
◆「ミラノ・スカラ座&ヴェローナ音楽祭8日間」
F.ルイージとM.レベカが挑む ミラノ・スカラ座48年ぶりの《ノルマ》!
ヴェローナではネトレプコ&エンクバートの《ナブッコ》、ラチヴェリシュヴィリ&エイヴァゾフの《カルメン》、光と影が織りなす幻想的な《アイーダ》を鑑賞!!
【残席わずか】
ミュンヘン・オペラフェスティバル
&バイロイト音楽祭 9日間
2025年7月27日(日)~2025年8月4日(月)
◆「ミュンヘン・オペラフェスティバル&バイロイト音楽祭 9日間」
ミュンヘン・オペラフェスティバルにて A.グリゴリアン&P.ブレスリク出演《ルサルカ》、P.ベチャワ&A.カンペ出演《ローエングリン》、バイロイト音楽祭にて M.スパイアーズ&G.ツェッペンフェルト出演《ニュルンベルクのマイスタージンガー》鑑賞!
【お知らせ】
2025年6月~8月ツアー催行状況のご案内♪
4月22日現在のツアー催行状況です。お問い合わせお待ちしております。
◆【残席わずか】6月9日出発 グランドホテルに泊まる! ウィーン滞在 7日間
◆【キャンセル待ち受付中】6月15日出発 音楽評論家 加藤浩子と行く バッハへの旅 10日間
◆【催行決定】7月13日出発 ミラノ・スカラ座&ヴェローナ音楽祭8日間
◆【残席わずか】7月27日出発 ミュンヘン・オペラフェスティバル&バイロイト音楽祭9日間
◆【受付中】8月8日出発 夏の音楽祭めぐり ヴェローナ&ザルツブルク10日間
◆【催行決定】8月14日出発 夏のバイロイト音楽の旅9日間
◆【受付中】8月22日出発 ルツェルン~インスブルック~ザルツブルク12日間
♪♪50周年記念品プレゼント♪♪
郵船トラベル音楽の旅は50周年!!
オリジナル・チケットホルダーをプレゼントいたします
最新の情報はスタッフブログ&各種SNSでも随時ご紹介!
フォロー、お友達追加をどうぞよろしくお願いいたします!
※LINEはスマートフォンからアクセスしてください
(パソコンからはご覧いただけません)