
Broadcasting Corporation 2012
『ショパン 愛と哀しみの旋律』
発売中
発売元:ショウゲート
販売元:ポニーキャニオン
価格:Blu-ray ¥4,700+税
監督:
イェジ・アントチャク
出演:
ピョートル・アダムチク/ダヌタ・ステンカ/ボジェナ・スタフーラ/アダム・ヴォロノーヴィチ 他
ポーランド生まれの天才作曲家ショパンは、祖国を追われウィーンやパリに逃れたが、作曲家として認められず、病弱でふさぎ込みがちな失意の日々を過ごしていた。そんな時に出会ったのが、恋多き女性として社交界でも有名な女流作家、ジョルジュ・サンド。年上で離婚歴がある子持ちの彼女との情熱的な恋に次第に溺れていく中で、ショパンは数々の名曲を生み出すが、サンドの子供たちはそんな彼らを疎ましく思い始める…。
“ピアノの詩人”ショパンが見ていた
悲哀と慈愛の世界
祖国への愛と、恋人からの愛が育てたピアノの詩人
劇中の冒頭で流れるのは、フレデリック・ショパンの名曲≪夜想曲(ノクターン)第20番嬰ハ単調≫。彼の波乱に満ちた人生を表したかのような美しくも物悲しい旋律は、ショパンが20歳の時、ポーランドの混乱中にウィーンで書き上げられ、39歳で早世した後に発表されました。幼少時から才能に恵まれながらも、祖国は混迷しており病弱で不安定だったショパン。この映画は、そんなショパンがサンドと出会い彼女の母性に包まれたことで、その才能を爆発させていく様子が描かれています。しかし、これは平穏な恋愛物語ではありません。サンドには2人の子供がいて、子供たちも交えた嫉妬や情欲が渦巻くおどろおどろしいストーリーへと展開していくのです。人間の闇にスポットライトを当てたような作品で、見ていると苦しいシーンも少なからずあるのですが、ショパンの作品を考察するに当たっては大変、興味深い作品です。
なお、劇中の演奏は全編を通して世界的チェリスト、ヨーヨー・マや、『戦場のピアニスト』のヤーヌシュ・オレイニチャク、日本人ピアニストの横山幸雄ら豪華アーティストが担当。心の琴線に触れるような繊細な演奏を楽しむことができます。
現地を訪ねたら見逃せない、
みどころと名物
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ワルシャワ レストラン・ホノラトカ ショパンが通ったことで知られる1926年創業の老舗カフェ・レストラン。当時は高級カフェだったが、現在は伝統的なポーランド料理が中心となっている。ショパンの音楽を聴きながらティータイムを楽しむことができる。
ショパン国際ピアノコンクール
世界最高峰のピアノコンクールの一つとして知られるショパン国際ピアノコンクール。
5年に一度、ショパンの命日(10月17日)前後の約3週間にわたり開催される。過去には、マウリツィオ・ポリーニ、マルタ・アルゲリッチ、クリスティアン・ツィメルマン、スタニスラフ・ブーニン、ダン・タイ・ソン、ユンディ・リなど、現在も一線で活躍するピアニストを輩出(いずれも優勝)。最近の優勝者では、ラファウ・ブレハッチ、ユリアンナ・アヴデーエワ、チョ・ソン・ジンらが世界で活躍中。会場となるフィルハーモニーホールは、わずか座席数1069席。ここで連日ショパンの作品が演奏される。
漫画・アニメ「ピアノの森」でも取り上げられるなど、ピアノファンのみならず幅広いファンが増えている。