Films x Music 名作でめぐる音楽の旅 Vol.4 のだめカンタービレ in ヨーロッパ

©2008フジテレビ

『のだめカンタービレ in ヨーロッパ』

発売中
発売元:フジテレビ映像企画部
価格:¥7,600+税

脚本: 衛藤 凜
演出:武内英樹
出演:上野樹里 玉木 宏
瑛太 水川あさみ 小出恵介 遠藤雄弥 他

あらすじ

“のだめ”こと野田恵(上野樹里)はコンセルヴァトワールにピアノ留学するため、千秋(玉木宏)は世界の舞台で活躍するプロ指揮者を目指すため、それぞれ桃ヶ丘音楽大学の仲間たちに別れを告げ、パリへと旅立つ。2人が住むことになったのは、千秋の母方の親類が所有し、音楽を学ぶ学生へ優先的に貸しているアパート。そこには、のだめと同じコンセルヴァトワールの学生である、派手なロシア人留学生ターニャ(ベッキー)や、アニメオタクのフランス人学生フランク(ウエンツ瑛士)らが暮らしていた。のだめは持ち前の優れた順応性でホームシックを克服したものの、言葉の壁にぶつかってしまう。一方、千秋はプラティニ国際指揮コンクールの予備審査を見事突破し、コンクール出場のため開催地のプラハへと向かう。

「のだめカンタービレ in ヨーロッパ」
パリ・プラハで芸術と戯れる旅

恋も音楽も前途多難!? のだめの成長ストーリー

クラシックブームを生んだ人気ドラマ「のだめカンタービレ」シリーズのうち、ヨーロッパを舞台にしたスペシャルドラマとして放映された本作。前作においてコンクールで才能を見出されたのだめは、フランスのコンセルヴァトワールへの留学が決まり、いよいよ世界で大活躍…かと思いきや、アナリーゼの授業についていけなかったり、実力派ピアニストのソン・ルイへの強烈な対抗心から自分を見失ってしまったりと、序盤から数々の困難に見舞われます。さらに、自分をフランスに呼んでくれたオクレール先生からも「君はここに何をしに来たの?」と言われてしまう始末。すっかり方向性を見失ってしまったのだめですが、ある出来事が立ち直るきっかけになります。それは、自らが作曲した『もじゃもじゃ組曲』をオクレール先生が弾いたときのこと。楽譜に書き込んでいないことまで「ここはもっとこうやって弾いてほしい!」と熱弁するのだめを、オクレール先生は「その気持ちと同様に、作曲家たちにも言いたいことがあるんだよ」と諭します。「君は感覚的にしか感じない。何を感じて作ったのか、もっと耳を澄ませて聴いてごらん」。その言葉はのだめの胸に真っすぐ届き、続くリサイタルでは大成功を収めることになりました。

「よい演奏=間違いのない演奏」だとすれば、機械による演奏を人間が超えることはできません。では、“よい演奏”とはなんでしょうか? ポップな作風の裏に隠れがちですが、扱われているテーマは音楽を学ぶ人にとって大変、本質的なものになっています。のだめは優れた技巧を持つプレイヤーですが、考えてみればコンクールで審査員の心をつかんだのは情感豊かなシューベルトの≪ソナタ≫でした。実は、のだめは既に、作者の意図に寄り添い表現をする、という成功体験を得ていたのです。こういった伏線を回収しつつ、千秋との恋愛要素も絡め、仲間との切磋琢磨(せっさたくま)もあり…と盛りだくさんなストーリーが散らかることなくまとめられているのは見事です。

そしてもちろん、物語を盛り上げる名曲の数々も素晴らしく、“世界一長いクレッシェンド”ともいわれるモーリス・ラヴェルの≪ボレロ≫や、ドビュッシーのピアノ独奏曲集「映像」に収録された≪水に映る影≫、カナダのナイアガラの滝にインスピレーションを受けて第一楽章が制作されたというドヴォルザークの≪チェロ協奏曲ロ短調≫、多様な旋律を持ち躍動感のあるショパンの≪ピアノソナタ第3番ロ短調≫など、てんこ盛り。ドラマの要所要所で流れる優美な音楽に酔いしれているうちに、すっかり「のだめカンタービレ」の世界観に没入していることでしょう。

感性が刺激される花の都・パリ

  • セーヌ川とエッフェル塔
  • サクレ・クール寺院を望むカフェ
  • サン・ジェルマン・デ・プレ教会

本作の幕開けは、のだめと千秋が居を移したフランス・パリから。冒頭で千秋がランニングをしていたのは、地元の人でにぎわう「モンマルトルの丘」です。背景には「サクレ・クール寺院」や「サン・ジェルマン・デ・プレ教会」など、いかにもパリらしい名所が映り込みます。

パリの見どころといったら枚挙にいとまがないですが、音楽スポットに絞って紹介するなら、まず「オペラ座 ガルニエ宮」が挙げられます。ナポレオン3世により1875年に竣工した歴史ある歌劇場で、オペラ座の怪人の舞台としても有名です。色彩豊かな天井画や、まるで宮殿のような豪華絢爛(けんらん)なロビーなど、ガイドツアーでの場内見学だけでも十分にその魅力を堪能することができますが、スケジュールが許すならぜひチケットを購入して公演を楽しみたいところ。9月から翌7月までのシーズン中は日々、公演が行われているので、公式サイトから演目をチェックしてください。

  • オペラ座 ガルニエ宮
  • オペラ座 ガルニエ宮内部
  • オペラ座 ガルニエ宮内部

のだめが通ったパリ国立高等音楽院があるのは、「ラ・ヴィレット公園」の中。ウルク運河が流れ、緑も豊富なパリ市内最大の公園です。園内には、近代的なコンサートホール「フィルハーモニー・ド・パリ」が2015年に完成しました。ここはパリ管弦楽団の本拠地ですが、クラシック以外にもロックやジャズなど、さまざまな演目が上演されているほか、楽器に触れるワークショップや子供向けのイベントも実施されており、多彩な音楽体験が得られる注目の施設です。フランスの建築家ジャン・ヌーヴェル氏による設計で、360度を取り囲む客席はユニークな流線型にデザインされており、見学するだけでも楽しめます。

同じく園内にある「ミュゼ・ド・ラ・ミュージック」という博物館も、ぜひ併せて訪れてみてください。17世紀以降のさまざまな楽器が展示されていて、中にはショパンのピアノやストラディバリのヴァイオリンも。オーディオガイドでは実際の音を聴くこともでき、楽器好きなら何時間でも楽しめてしまうスポットです。

  • パリ国立高等音楽院
  • ラ・ヴィレット公園
  • フィルハーモニー・ド・パリ

中世の趣を残す黄金の街・プラハ

  • プラハ
  • スメタナホールが入るプラハ市民会館
  • スメタナホール

千秋が指揮者コンクールで奮闘したプラハは、パリとはまた違った趣。独自の音楽文化を築いてきたこの街には、歴史の息遣いを感じる落ち着いた雰囲気があります。

千秋がコンクールの決勝とデビューコンサートで指揮を振ったホールは、プラハ市内最大の大きさを誇る「スメタナホール」でした。ステンドグラスや天井画が美しく、音楽とともに内装にも注目してほしいスポットです。チェコを代表する音楽家・スメタナの命日に当たる5月12日から6月4日にかけては「プラハの春音楽祭」が開催されているので、スメタナファンならぜひ訪問したいところ。

また、千秋とのだめの念願だった、ヴィエラ先生が指揮するオーケストラを見に行くシーンでは、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地として知られる「ドヴォルザーク・ホール」が登場しています。舞台正面に鎮座する巨大なオルガンが見事なホールで、チケットは公式サイトから予約することができます。ちなみに、あまり知られていませんがヴィエラ先生役を演じたのは実際のチェコ・フィル首席指揮者であったズデニェク・マーツァル氏。作中に登場するオーケストラはプラハ放送交響楽団が担っていたりと、かなり本格的なキャスティングにも注目です。

  • ドヴォルザーク・ホールが入るルドルフィヌム
  • ルドルフィヌム前のドヴォルザーク像
  • スメタナのお墓

感性が刺激される街でロケ地巡り

  • ルーヴル美術館
  • シャンゼリゼ通りと凱旋門
  • シテ島とサン・ルイ島

パリもプラハも、音楽だけではなく楽しみ方は無限大です。本物のモナリザやミロのヴィーナスにも出会える「ルーヴル美術館」や、中世の街並みが残る「プラハ旧市街」の散策は外せませんし、街角にあるレストランに立ち寄りおいしいグルメに舌鼓を打つのもまた一興。本作のロケ地巡りがしたいのなら、パリの「台湾領事館」(のだめと千秋のアパルトマン)、「シテ島」や「サン・ルイ橋」(複数のシーンで登場)、プラハでは「カレル橋」(幼少期の千秋が駆けていた場所)や、プラハ城横の階段(キャスト陣が印象的だったロケ地として挙げた、プラハの街を見晴らせるスポット)などがおすすめです。 行く先々で五感が刺激される魅力にあふれたパリとプラハ。のだめと千秋が過ごした街を、気の向くままに散策してみてはいかがでしょうか?

  • プラハ旧市街広場
  • カレル橋
  • 百塔の街 プラハ

現地を訪ねたら見逃せない、
みどころと名物

エトワール凱旋門〈パリ〉

エッフェル塔〈パリ〉

サクレ・クール寺院〈パリ〉

アレクサンドル3世橋からアンヴァリッドを望む〈パリ〉

ムーラン・ルージュ〈パリ〉

ヴェルサイユ宮殿

プラハ城

聖ヴィート大聖堂〈プラハ〉

黄金の小道〈プラハ〉

スメタナの生地 リトミシュル【世界遺産】

ピアノ好きな方に~ショパン国際ピアノコンクール鑑賞ツアーのご案内

世界最高峰のピアノコンクールの一つとして知られるショパン国際ピアノコンクール。
5年に一度、ショパンの命日(10月17日)前後の約3週間にわたり開催される。過去には、マウリツィオ・ポリーニ、マルタ・アルゲリッチ、クリスティアン・ツィメルマン、スタニスラフ・ブーニン、ダン・タイ・ソン、ユンディ・リなど、現在も一線で活躍するピアニストを輩出(いずれも優勝)。最近の優勝者では、ラファウ・ブレハッチ、ユリアンナ・アヴデーエワ、チョ・ソン・ジンらが世界で活躍中。会場となるフィルハーモニーホールは、わずか座席数1069席。ここで連日ショパンの作品が演奏される。
漫画・アニメ「ピアノの森」でも取り上げられるなど、ピアノファンのみならず幅広いファンが増えている。

2020年ショパン国際ピアノコンクール鑑賞ツアーを実施予定です。
詳しくは総合お問合せよりお問合せください。

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