音楽の国ドイツ
J.S.バッハやベートーヴェン、ワーグナーが生まれた国、ドイツ。
古くから世界的に有名な作曲家を数多く輩出したドイツは、ヨーロッパの音楽史を語る上でも重要な位置付けづけにあり、音楽大国としてヨーロッパの文化を牽引し続けてきました。
音楽の国ドイツ
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ドイツ音楽の歴史と文化が発展した地と作曲家の足跡を訪ねる
ドレスデン
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15世紀よりザクセン公国の首都として栄えた古都ドレスデン。特に、1694年に選帝侯に即位したフリードリヒ・アウグスト一世(強王)の時代、ザクセン王朝は絶頂期を迎え、ツヴィンガー宮殿をはじめとするドイツ・バロック建築の傑作が数多く建てられました。
ゆかりのある作曲家
ワーグナー、ウェーバー、J.S.バッハ、モーツァルト、ベルリオーズ、ブラームス、シューマン、R.シュトラウス、マーラーなど
おもな劇場・コンサートホール
ドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオパー)
ドレスデン国立歌劇場
外観 |
内部 |
美しい緞帳は必見 |
ジルベスタ―コンサート |

ドレスデンの見どころ
ツヴィンガー宮殿 |
レジデンツ宮殿と三位一体大聖堂 |
聖母教会 |
君主の行列 |
ライプツィヒ
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12世紀以来の歴史ある商業都市として、またバッハやメンデルスゾーン、ゲーテなど多くの芸術家が活躍した文化都市。東西ドイツ統一後は、古くからの街並みと近代建築が融合する街として変貌を遂げています。
ゆかりのある作曲家
J.S.バッハ、ワーグナー、メンデルスゾーン、シューマン
おもな劇場・コンサートホール
ゲヴァントハウス・ホール、ライプツィヒ歌劇場
ライプツィヒの見どころ
ゲヴァントハウス・ホール |
ライプツィヒ歌劇場 |
バッハゆかりの聖トーマス教会 |
バッハゆかりの聖ニコライ教会 |
バイロイト
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ワーグナーの聖地として名高いバイロイト。街の歴史の始まりは12世紀まで溯ります。17世紀以後は辺境伯の都として栄え、特に18世紀には最盛期を迎え、この時期には多くの歴史的建造物が建てられました。特にバロック様式の「辺境伯歌劇場」は当時“ヨーロッパで最も美しい劇場”と称され、現在は世界遺産に登録されています。
ゆかりのある作曲家
ワーグナー、F.リスト
おもな劇場・コンサートホール
バイロイト祝祭劇場、辺境伯歌劇場
バイロイトの見どころ
辺境伯歌劇場 |
ワーグナー博物館 (ヴァーンフリート荘) |
エレミタージュ |
旧宮殿 |
ベルリン
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18世紀初頭にプロイセン王国が成立し、1740年フリードリヒ2世(大王)が王位に即いてから王国の発展とともに芸術・文化が華開きました。以来、ヨーロッパの芸術の中心都市として構成を誇りました。第2次世界大戦敗戦後の東西分割より、一時衰退しましたが、1989年の東西再統一を果たしてからは新たな時代に向け変貌し続ける街として、また芸術都市として飛躍的な復活を遂げています。
ゆかりのある作曲家
C.P.E.バッハ、モーツァルト、メンデルスゾーン
おもな劇場・コンサートホール
ベルリン国立歌劇場、ベルリン・ドイツオペラ、コーミッシェ・オパー、ベルリンフィルハーモニーホール、ベルリン・コンツェルトハウス
ベルリンの見どころ
ベルリン・ドイツオペラ |
ベルリンコンツェルトハウス |
ベルリンフィルハーモニーホール |
ボン
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古代ローマ時代より発展、中世近世にかけて数々の教会や城が建てられ旧西ドイツ時代には首都として政治文化の中枢を支えた街、ボン。東西ドイツ統一後も、首都機能はベルリンに移転するも、幾つかの政府省庁はそのままボンに残り、行政都市として重要な機能を果たしている。
ゆかりのある作曲家
ベートーヴェン、シューマン
おもな劇場・コンサートホール
ベートーヴェン・ハレ
ボンの見どころ
ベートーヴェン・ハレ |
ベートーヴェン・ハウス |
ベートーヴェン広場 |
ポッペルスドルフ城 |
ミュンヘン
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バイエルン州の州都。ヴィッテルスバッハ家の隆盛とともに14世紀頃から19世紀に至るまで繁栄を続け、その栄華の跡を街のいたる所で見ることができます。オペラの歴史も古く、17世紀後半から18世紀にかけて急速に発展を遂げ、モーツァルト、ワーグナー、R.シュトラウスなど多くの作曲家がこの地で活躍しました。
ゆかりのある作曲家
モーツァルト、ワーグナー、R.シュトラウス
おもな劇場・コンサートホール
バイエルン国立歌劇場、ガスタイクホール
ミュンヘンの見どころ
バイエルン国立歌劇場 |
ガスタイクホール |
レジデンツ |
市庁舎前広場 |
旅の楽しみ ドイツグルメ
ホワイトアスパラ

6月はホワイトアスパラガスの時期
ザウアーブラーテン

牛肉をマリネしてからローストしたもの。赤キャベツ、ジャガイモの団子などを添えて。
ケーニヒスベルガー・クロプセ

ベルリンの伝統料理ケーニヒスベルガー・クロプセ(肉団子のホワイトソースがけ)
ソーセージ

種類によって食べ方もいろいろ。地元の人に教えてもらうのも楽しいものです。
ビール

本場のビールは実に種類豊富。「乾杯」は「Prosit(プロージット)!」
意外にも…

ヨーロッパでは不足しがちな野菜。人気メニューの代表は意外にもサラダ
シュヴァイネブラーテン

バイエルン州の名物料理シュヴァイネブラーテン。焼いた豚肉をダークビールで作ったグレービーソースで煮込み、茹でたじゃがいもで作った団子クネーデルとともに。
シュトレン

日本でもクリスマス菓子として定着してきたシュトレンはドレスデンが発祥の地と言われます。ドライフルーツとナッツがぎっしり。
ハンバーグ

ハンブルクの名物!ハンバーグ
ドイツの音楽祭と歌劇場/コンサートホール/オーケストラ情報
音楽祭
都市名 | 音楽祭 | 開催日 |
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ドレスデン |
ドレスデン音楽祭 |
5月~6月頃 |
バイロイト |
バイロイト音楽祭 |
7月~8月頃 |
ベルリン |
ベルリン・フェストターゲ |
4月上旬頃 |
ベルリン芸術週間 |
9月頃 | |
ボン |
ボン・ベートーヴェン音楽祭 |
10月頃 |
ミュンヘン |
ミュンヘン・オペラフェスティバル |
6月~7月頃 |
ライプツィヒ |
バッハ・フェスティバル |
6月頃 |
リューベック |
シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭 |
6月~8月頃 |
歌劇場/コンサートホール/オーケストラ
都市名 | 歌劇場/コンサートホール/オーケストラ |
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ベルリン |
国立歌劇場 |
フィルハーモニー・ホール |
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コンツェルト・ハウス |
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ベルリン・ドイツ・オペラ |
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コーミッシェ・オーパー |
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ミュンヘン |
バイエルン国立歌劇場 |
ドレスデン |
ドレスデン国立歌劇場(ゼンパー・オパー) |
ハンブルク |
オペラ座 |
ライプツィヒ |
ゲヴァントハウス |
ニュルンベルグ |
オペラハウス |
バーデン・バーデン |
歌劇場 |
フランクフルト |
オペラハウス |
アルテオーパー |
ドイツ音楽文化を築いた作曲家を深く知る 「音楽の旅」
旅慣れた人々の間で注目された、目的やテーマがある旅。今ではすっかり定着し沢山のツアーがあります。
テーマが音楽家や作曲家である場合、ゆかりの地を巡り、現地での演奏会に足を運び、音楽の背景にある文化に触れ、非常に密度の濃い旅となることでしょう。中には、その作曲家に造詣の深い音楽評論家や研究家が同行して身近に解説を聞くことができるツアーもあり人気を集めています。
バッハゆかりの街をめぐり、最高峰のバッハ演奏に触れる〜「バッハへの旅」の魅力
バッハのふるさとにバッハを訪ね、現地で最高峰のバッハ演奏を堪能する。それは、バッハファンの夢なのではないでしょうか。ヨハン・セバスティアン・バッハは、マルティン・ルターが新約聖書をドイツ語に訳したヴァルトブルク城がそびえるドイツの古都アイゼナッハに生まれ、商業都市ライプツィヒで生を終えました。音楽一族の出身で、人生の大半を教会音楽家として過ごしましたが、それは当時のドイツのこの地方が、音楽を重視したルター派の本拠地であり、教会での音楽が重要視されていたためでもありました。
バッハがカンタータや受難曲といったジャンルに名作を残しているのは、それがルター派の教会音楽だったからです。
けれどご存知のように、音楽家バッハは、教会音楽家の枠組みではとうてい測ることのできない、幅広く奥の深い膨大な名作を残しました。バッハは、ドイツの小さな田舎町から、同時代の人々に向け、そして後世に向けて、時代や国境を超える永遠の生命を持った音楽を発信し続けたのです。
(2019年6月出発 音楽評論家 加藤浩子と行くバッハへの旅より/(文)加藤浩子)
2020年は生誕250年~ベートーヴェンへの旅
生誕250年を迎える2020年に向けて楽聖ベートーヴェンにゆかりの都市ではさまざまなベートーヴェン・プロジェクトが動き始めています。宮廷楽師として活躍した生地ボンとピアニスト・作曲家として活躍し音楽界の頂点をきわめた街ウィーンが競うように「BTHVN2020フェス」への準備を進めているようです。しかし、ベートーヴェンの重要な足跡はこのふたつの都市だけに遺されているわけではありません。生涯にただ一度だけベートーヴェンは半年近くに及ぶ音楽旅行をしています。1796年2月にウィーンを発ち、プラハにふた月ほど滞在した後、ドレスデンを経てライプツィヒに赴き、ここに3週間ほど滞在してからベルリンに迎い、5月下旬から7月初旬までこの地で注目すべき音楽活動をしています。今回のツアーはこの1796年のベートーヴェンの旅の足跡を逆方向から辿るものですが、
二日間のプラハ滞在では、1812年にベートーヴェンが「不滅の恋人」への手紙を書き、しばしの逢瀬に胸躍らせたであろう温泉保養地カルロヴィヴァリ(旧名カールスバート)とテプリーチェ(旧名テープリッツ)を巡り、同時に文豪ゲーテと肩を並べて散歩を楽しんだ小径なども訪れます。
出発地ベルリンではBPO、到着地ウィーンではVPOという世界二大シンフォニー・オーケストラ、そして、旅程に沿って、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ドレスデン国立歌劇場管、チェコ・フィルハーモニー管という世界に名だたる名門オーケストラの演奏会も組みこんだオーケストラ巡りのツアーにもなっています。
(2019年3月出発 音楽評論家 平野 昭と行くベートーヴェンへの旅より/(文)平野 昭)
ボン・ベートーヴェン音楽祭
“楽聖”ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。 このコラムを読んでいただいている皆さんに、いまさらここに書くようなことはないでしょう。 しかし彼が生まれ、ウィーンへと旅立つ22歳まで、その音楽の素養を育んだドイツの街、ボン ── このボンで、彼を顕彰する音楽祭が毎年初秋に催されていることをご存知の方は、あまり多くないのではないでしょうか。…もっと見る
お電話: 03-6774-7940
郵船トラベル 音楽・美術ツアーデスク