カラカラ浴場（イタリア）

カラカラ浴場…浴場でオペラ？お風呂は声の反響がいいからかな、とか、銭湯と浪花節なんかの取り合わせを思い浮かべられた方も、いらっしゃるかもしれません。

いえいえ、これはただの“浴場”ではありません。
世界史、特にローマ時代を少しでもかじった方なら、ご存知でしょう。

カラカラ浴場は紀元3世紀、時の皇帝、カラカラ帝によってローマに建設され、今もローマ時代の代表的な遺跡として、コロッセオを並んで称される世界遺産のひとつです。
敷地は実に3万平方メートル、体育館、図書室、サウナなどの各種入浴施設を整え、一度に1600人からのローマ市民を収容した一大娯楽施設がこの《カラカラ浴場》なのです。

その様々な施設のひとつ、かつて“高温浴室”であった直径34mの円形室を特設の会場に設え、毎夏、現代の人々にオペラという楽しみを提供してくれます。

2003年、遺跡修復工事を10年がかりで終えて再開され、毎年7月から8月にかけて、夏の野外オペラが開かれています。
出し物は、『椿姫』『トゥーランドット』といった、イタリア出身の作曲家の作品、イタリアゆかりの作品が揃えられるのも、特徴のひとつです。